クリアル2025年3月期第2四半期連結決算。経常利益71.78%増の9億7300万円で着地

不動産クラウドファンディング「CREAL」を運営するクリアル株式会社が、2024年11月14日に2025年3月期第2四半期(2024年4月~9月)決算発表を行いました。

決算内容の分析から今後のCREALへの投資について考えていきます。

2025年3月期第2四半期 決算概要


CREALの決算資料より

2025年3月期第2四半期(2024年4月~9月)のクリアル株式会社の連結決算は、売上高が216.7億円、経常利益が9.7億円で、前年同期比でそれぞれ132.2%増、71.8%増と大幅な増収増益を達成しました。

また、当期純利益も7.4億円で、前年同期比112.1%増という大きな成長が見られました。クリアルは業績が引き続き順調に推移し、今後も成長余地があることを示しています。


CREALの決算資料より

この成長は不動産クラウドファンディング事業「CREAL」の影響が大きく、投資家数も17,670人に達しました。これは、通期目標である30,000人の58.9%を達成しており、投資家の関心が増していることがうかがえます。

また、ファンド組成のための調達資金であるGMV(流通取引総額)も、前年同期比16.7%増の118.7億円となり、計画に対する進捗率は39.6%に達しています。

不動産クラウドファンディング「CREAL」事業の詳細

2025年3月期第2四半期の時点で、クリアルは合計118.7億円の資金をクラウドファンディング事業で調達しており、前年比で16.7%増と好調に推移しています。

これはクリアルが積極的にAIやデジタル技術を活用して物件を選定・評価する仕組みから、低コストで効率的、透明性の高いファンド募集ができる点も強みとなっています。

クリアルはまた、SBI証券と連携し、投資家の獲得を強化しており、今後も幅広い投資家層を取り込むための施策を計画しています。

重点施策と主要KPIの進捗状況


CREALの決算資料より

クリアルでは、不動産クラウドファンディング事業の成長を支えるために、様々な重点施策を展開しています。第2四半期における重要なKPI(業績指標)としては、売上総利益、Take Rate(手数料率)、GMV(流通取引総額)があります。

売上総利益とTake Rateの向上

クリアルは、利益成長の柱として売上総利益の拡大を掲げており、具体的にはGMVとTake Rateを主要な指標としています。2025年3月期第2四半期では、売上総利益が26.5億円に達し、前年同期比で52.5%増加しました。

また、Take Rateは一般的に8~10%前後を維持しており、GMVの成長に応じて売上総利益も堅調に推移しています。Take Rateが安定していることは、クリアルが手数料収入を効率的に管理できていることを示しています。

投資家数と投資チャネルの多様化

さらに、クリアルは投資家数の増加と投資チャネルの多様化にも重点的に取り組んでいます。

オンラインを中心に投資家を獲得してきたクリアルですが、今後はSBI証券や他の金融機関との提携を活用し、法人や富裕層投資家へのアプローチを強化していく計画です。この戦略によって、投資家層の拡大が進んでおり、第2四半期の段階で目標に対する進捗率も58.9%に達しています。

CREAL PROおよびPB事業の拡大


CREALの決算資料より

クリアルの成長は、一般向けの不動産クラウドファンディング「CREAL」だけでなく、機関投資家や富裕層をターゲットにした「CREAL PRO」および個人向け高額投資商品「CREAL PB」からも支えられています。

CREAL PROの展開

CREAL PROは、主に1億円以上を投資可能な機関投資家や超富裕層を対象としたサービスで、大型のファンド組成により運用資産を拡大しています。2025年3月期第2四半期には売上高100億円超、営業利益1.5億円と好調であり、特にSBIホールディングスとの連携がその成長を後押ししています。

CREAL PBの成長

また、個人投資家向けの「CREAL PB(プライベートバンク)」では、比較的高額な投資商品を提供しており、2025年3月期第2四半期には売上総利益3.4億円、粗利益22.6%増と前年同期比で増収増益を達成しています。

こうした事業拡大は、デジタルトランスフォーメーション(DX)を活用した効率的な運用システムによって支えられています。

CREAL ASIAの海外展開

さらに、2023年に設立されたシンガポール拠点のCREAL ASIAを通じ、アジアの投資家に向けたサービス提供を開始しました。特にアジア地域の富裕層投資家向けにファンド組成を行い、アジア圏の市場拡大を目指しています。

この海外展開は、成長市場での収益基盤強化とともに、国内外の投資家ニーズに対応するものです。

成長戦略とCREALの将来

クリアルは、今後も成長を維持するための長期的な戦略を推進しています。

主に「DXによる不動産投資プロセスの革新」「商品ラインナップの拡充」「SBIグループとの連携強化およびM&A戦略」の3つの柱で構成されています。

DXによる不動産投資の革新

不動産投資のプロセスはまだデジタル化が進んでいない領域も多く、クリアルは不動産業界にDX(デジタルトランスフォーメーション)を導入することで業務の効率化を図っています。

例えば、AIを活用した物件のソーシングや、オンラインでの投資家とのマッチング、取引データの自動化を進めています。これにより、運用コストを抑えつつ効率的な資産管理を実現しています。

商品ラインナップの拡充


CREALの決算資料より


CREALの決算資料より

クリアルは、さまざまな不動産関連の資産運用商品を提供することで、投資家の多様なニーズに応えています。

現在は、任意組合型やプライベートクレジット型など、複数の投資商品を扱っており、今後もオープンエンド型(運用期間中に資産の売買が可能)や対象不動産変更型など、柔軟な運用が可能な商品ラインナップを増やしていく予定です。

こうした商品の多様化により、初心者から機関投資家まで幅広い層に対応し、クリアルのプラットフォームを活用することで、効率的かつ手軽に資産運用が行える環境の提供を目指しています。

SBIグループとの連携強化とM&A戦略

クリアルは、SBI証券をはじめとするSBIグループと連携することで、さらなる投資家層の拡大とブランド認知度の向上を図っています。また、M&A(合併・買収)を通じて、さらなる成長も視野に入れています。

不動産関連企業や不動産テック・フィンテック企業との提携や買収を進めることで、クリアルは不動産分野での新しい技術やノウハウを取り入れ、さらなる事業規模の拡大と運用効率の向上を目指しています。

投資家向けのFAQ

クリアルでは、投資家から寄せられる質問に対して、以下のようなFAQ(よくある質問)を公表しています。投資家の疑問に対してクリアルの方針や戦略が説明されています。主な項目をピックアップしました。

金利上昇局面でのリスク対応

Q. 金利が上昇する中で、クリアルの不動産投資のリスクはどうなるか?

金利上昇が不動産市場に与える影響はあるものの、クリアルではクラウドファンディングによる直接金融を通じて資金調達を行っているため、銀行借入金利への依存度が低いです。また、不動産はインフレヘッジの役割もあるため、投資先としての需要は継続すると考えられています。

運用期間の長期化と投資家リターンの向上

運用期間が長期化するのはなぜか?

クリアルでは、売却活動を効率的に行うために、余裕を持った運用期間を設定しています。これにより、バリューアップのための施策や投資家との交渉に十分な時間を確保でき、結果として投資家リターンの向上が期待されます。

かつさんど感想

クリアルは今回引き続き好決算を発表し、今後の成長も期待できる内容になっていると感じました。

不動産クラウドファンディング事業者の選定には、運営会社の業績と財務状況の確認が重要なポイントです。上場企業が運営する不動産クラウドファンディングサービスは、これらの重要指標が定期的に確認できるため、投資の安全性の確保にも大きく繋がっています。

今回の決算発表で、事業者の安定性と成長性を確認することができましたので、引き続きCREALへの投資は継続していきたいと考えています。

CREALはSBIグループとの協業やM&Aのシナジー効果もあり、提供するファンド数が安定傾向にあります。登録している投資家数が増加し、新しいファンド形式の登場や、今回業務提携したホテルファンドの募集も期待でき、今後、不動産クラウドファンディング業界の中心的な存在になっていく事業者だと思います。