OwnersBookにメールインタビューしました
OwnersBookは、東証プライム市場に上場しているロードスターキャピタルの100%子会社である、ロードスターインベストメンツ株式会社が運営。
案件の殆どはソーシャルレンディングの仕組みですが、不動産に特化したファンドを組成しており、累計募集額No.1(※)の事業者です。
※「不動産特化型クラウドファンディング」に関する市場調査(2021年6月 ESP総研調べ)。
不動産特化型とは、投資対象を不動産(信託受益権を含む。以下同じ。また、不動産担保付若しくは不動産会社向け融資、不動産特定共同事業、不動産ファンド等を含み、J-REITを除く。)に限定したクラウドファンディングを指します。

OwnersBookに実際に投資しているかつさんどが、OwnersBookの強みやファンドについて、投資家目線で聞いてみました。

ご返答者:
ロードスターインベストメンツ株式会社
代表取締役社長 / 成田 洋様
- 東京大学法学部卒
- 2009年よりタッチストーン・キャピタル・マネージメントにて不動産投資に係るアセット・マネジメント業務に従事
- 海外機関投資家による不動産投資のサポート業務を中心に、1,000億円超の不動産投資案件に関与
- 2014年7月にロードスターキャピタル株式会社に入社。以来OwnersBookの運営に携わる
2022年6月に実施させて頂いたインタビュー記事です。ご返答の内容は当時のもの。
※返答内容の「太字・色字」は運営者が装飾しています。
目次
OwnersBookについて

現在の投資家登録者について、人数、年齢、男女比などをお教えください。また、投資家登録の推移についても開示できるようであればお教えください。

成田様
2022年1月現在で約26,000人の方に投資家登録いただいております。
2014年のサービス開始から約4年後の2018年には10,000人を突破し、その約1年後の2019年には20,000人を突破しました。
新型コロナウイルスの影響もあり、投資家登録者数の伸びはやや落ち着きましたが、現在も堅調に伸びています。
年齢層の割合は、
- 20代:14%
- 30代:33%
- 40代:30%
- 50代:17%
- 60代~:7%
男女比は男性が約8割、女性が約2割です。

融資型クラウドファンディング(ソーシャルレンディング)事業へ参入のきっかけを教えてください。

成田様
不動産マーケットの参加者の多くは不動産会社・ファンド等のプロ投資家であり、個人の関与は限定的なのが現況です。
ここに、個人がより活躍できる場を作りたい、との思いがあったからです。

OwnersBookのファンド組成を担当する社員数と、主要資格保有者数を教えてください。

成田様
ファンド組成担当者数:11人
【資格保有者数(当社グループ全体)】(2022年1月現在)
- 不動産鑑定士:8人
- 宅地建物取引士:30人

貸付先の会社はどういったルートで探してくるのでしょうか?
また貸付先の選定や審査はどのような基準で行われていますか?

成田様
主として営業担当者がお客様のもとに足を運び、お客様のニーズを汲み上げます。
- 会社属性の明確さ
- 財務内容を確認したうえで、
- 担保物件の評価額と貸付金額のバランスを検証します。

同業他社と比べ、OwnersBookの強みと特徴を教えてください。
もしあれば、弱みと感じる部分や改善したい点はありますか?

成田様
- 強み
- 不動産・不動産金融分野で充分なキャリアをもつスタッフが揃っています。
- 2014年の業務開始以来積み上げてきた信用です。
- 弱み
- 投資案件のご案内件数が必ずしも充分でないと認識しており、投資案件増強が課題です。

OwnersBookの特徴として、東京都内の不動産に特化している印象がありますが、他地域に比べ、東京都内の不動産が持つ優位性はどこにありますか?

成田様
東京都内の不動産を投資対象から外す投資家は稀です。
マーケット参加者が多いことを背景とする高い流動性が確保されている点と認識しています。
不動産クラウドファンディングとソーシャルレンディングについて

過去に他社のソーシャルレンディングで事故や事件がありましたが、同じ仕組みを採用する事業者としてどのように思われますか?

成田様
他社について直接的にコメントすることは差し控えさせていただきます。
当社グループは不動産自己投資等を通じて蓄積した専門性を活かしてOwnersBookを運営しています。
つまり、OwnersBookでご提供している案件は自社の専門性が活かせる範囲に限定しており、自分たちが判断できないもの・リスクが高いと考えるものは提供致しません。
今後も、投資家の皆様には過度なリスクを負っていただくことがないように案件を厳選してご提供していきたいと考えております。

今後の不動産市況(レジデンス、オフィス)についてどのように予測されていますか?
また不動産クラウドファンディングが拡大している現状についてどのように思われますか?

成田様
レジデンスについては一部で供給が多い地域があること、オフィスについてはリモートワークの影響等で空室率がやや上がってきてはいるものの、マーケットへの影響は限定的と考えています。
レジデンス・オフィス共に売買に関しては底堅い状況が続く見込みですが、引き続き金融市場の動向と合わせてマーケットを注視しています。
不動産クラウドファンディングが拡大していることは、歓迎すべきことと理解しています。
参入企業が増えることでマーケットの認知は広がり、健全な競争状態は、投資家・借入希望企業双方にメリットを提供できると考えています。
運営会社ロードスターキャピタルについて

現在ロードスターキャピタルの株主への優待(1,000株以上で6か月以上保有)として、OwnersBookへの優先投資権がありますが、こちらの株主優待に関して追加や拡大などはお考えですか?

成田様
当面は現在の施策を進めていく方針で、特段の追加・拡大は検討していませんが、投資家様等から具体的なご要望がある場合は、適宜検討していきたいと考えています。

先日、ロードスターキャピタルが「SDGs達成への取り組み」ページ開設のリリースを出されましたが、OwnersBookのSDGsへの取り組みがありましたらお教えください。

成田様
現時点で10のゴールを設定しており、中でも「9.産業と技術革新の基盤をつくろう」、具体的には「OwnersBookの推進でテクノロジーの活用による、イノベーティブかつ持続可能なインフラの整備」に取り組んでいます。
また、「インフラの整備」を超えた更なる貢献を目指して検討中です。
ファンドについて

エクイティ型1号ファンドである「秋葉原オフィスビル」が当初想定利回りを大きく上回る好結果で償還されましたが、今後もエクイティ型のファンド組成はお考えですか?

成田様
第1号ファンドが想定を上回る見込みとなったことで、投資家様からも好意的な評価をいただいているところです。
好条件のファンド組成は簡単ではないのが実情ですが、組成に向けて案件発掘に努めます。

2021年のファンド募集数は21件(12/21現在)でしたが、今後もこのペースでファンド募集をしていく事は可能ですか?

成田様
2021年のファンド募集件数は26件でした。
同水準の募集は可能、1件でも多くの積み上げを図るべく取り組む考えです。

2021年募集ファンドの想定利回りは4.0%から5.6%でしたが、今後もこの利回り水準を維持していく方針ですか?

成田様
2021年のファンド想定利回り(IRR)は3.9%から5.6%でした。
リスク・リターンのバランスを考慮した水準と認識しており、今後も適切なバランスを維持していく考えです。
OwnersBookの今後について

コロナウイルスによる事業への影響はありましたか?
また、今後の不動産への影響に関して、どのような見通しをされていますか?

成田様
OwnersBook では、2020年4月から7月あたりは新規案件の実行が大きく落ち込みましたが、これは新型コロナウイルス感染症により経済・不動産マーケットに不透明感があったものだと認識しています。
しかし、2020年の秋以降は回復基調となり、現在に至るまで相応の新規実行ができています。
オミクロン型による感染拡大からインバウンド需要の回復遅れ等不透明感は残るものの、不動産マーケットの今後について悲観はしていません。

OwnersBookの今後の展望や将来的なビジョンをお聞かせください。

成田様
業務開始から8年目に入り、累計実行額が270億円となりました。
これは投資家の皆様のご支持があってのものであり、改めて御礼を申し上げたく思います。
一方で、「新規案件の紹介が少ない」とのお声もいただいており、より一層の新規案件の積み上げを図っていく所存ですが、拙速な対応により信用を損なうことを最も懸念しております。
今後も地道に案件を積み上げていく考えです。
トチクモをご覧のみなさんへ一言

当サイト、投資型クラウドファンディング比較サイト「トチクモ」について、何かコメントを頂ければ嬉しいです。よろしくお願いいたします。

成田様
この度はOwnersBookについて、インタビューいただきありがとうございます。
これからも不動産クラウドファンディングの魅力をわかりやすく伝えていただき、一緒にこの業界を盛り上げていただきたいです。 引き続き、よろしくお願いいたします。

最後にOwnersBookに興味を持つ投資家にメッセージをお願いいたします。

成田様
OwnersBookは、不動産自己投資を通じて蓄積した専門性を活かして自信を持ってご提供する商品です。
1万円から投資が可能ですので、少額からでも始めてみて内容のご理解を深めていただければと思います。
- かつさんどのひとこと -
お忙しい中、すべての質問に対し真摯にご対応いただきました。
印象に残った点は、資格保有者が多く、中でも難関資格と言われる不動産鑑定士が8名も在籍していることです。
これはOwnersBookの不動産評価能力への信頼性の裏付けになっていると思います。
懸念されている案件(大阪市中央区ホテル素地第1号第1回案件)もありますが、少しでも良い着地を期待しています。
私の投資対象は、ソーシャルレンディングは撤退の方向で、不動産クラウドファンディングに移行しております。
しかし今回のインタビューを通じ、優良な不動産物件に特化し、信頼性と透明性のあるOwnersBookは引き続き投資したい事業者だと感じました。
この度はお忙しい中、インタビューにご返答頂きありがとうございました。